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墓地が人気の理由

何でもいいから順番に書いていく、大ざっぱに言うとそんな感じだったのだけれども、公社法によりまして、民間の企業会計基準になり、計理日主義は発生主義にかわり、単式簿記は複式簿記に変わった。
これは、一気阿成にパッとかえるのがいちばんいいし、是非、変えたいわけです。 しかし、すぐには変えられない。
(中略)したがって、システムが伴わないから、ほとんどのところをマニュアルでやるというのが現状になっているわけで、残念ながら、郵便局はほとんどそのまま官庁会計。 要するに入ってきたところから順番に帳面に書いて、お金はみんな一緒になっているという状態でしか今のところはしょうがない。
支社もそういう状態で、本社の段階で、それを関係者がほんとに不眠不休で使いながら、企業会計基準に直しているこれが世界最大の金融機関になる「郵政」の現実です。 問題なのは会計だけではありません。
普通の銀行なら、毎日、一円単位まで合わせることが常識の現金勘定も、「合う日のほうが珍しい状態」という体たらくです。 さらに、郵便貯金事業には、普通の銀行と違って「支店」という概念がありません。
したがって、どの郵便局でどのような取引が行われたか、どの商品が売れたか、といった民間企業であれば当たり前である、支店ごとやそれを束ねたエリアごとの業務分析や顧客分析などは、まったくできないのです。 民営化後、「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命保険」は、CRMなど最新顧客分析システムを装備したメガバンクや大手生保会社と、それぞれ競争していくことになります。
こうした問題点を、あと1年あまりに迫った民営化までに解決するためには、どのようにすればよいのか。 「日本郵政公社」には、こうした課題が山積みになっています。
こうした諸問題に対応するため、「日本郵政公社」の内部では、すでに「外資系コンサルティング・ファーム」の力を借りた、さまざまなプロジェクトが進行しています。 外部コンサルの力を引き出し、支払ったコンサルティング料に見合った効果を刈り取ることができるのかそれとも、民営化され大混乱に陥ったAの轍を踏むのか。
それは、NM銀行元頭取が率いる「日本郵政株式会社」と、生田総裁をトップに仰ぐ「日本郵政公社」が、複数の外部コンサルを整合的に使うことができるのか、そして、彼らのアドバイスをきちんと取捨選択することができるのか、にかかっています。 20O5年9月の総選挙において、郵政民営化を「民意」として選択した私たち国民としても、これからの「日本郵政公社」と「日本郵政株式会社」の動きと、「コンサルティング・ファーム」との関係を注視していく必要があるのです。
第1章で、政府や大企業が「外資系コンサルティング・ファーム」に期待するものとして、彼らの「問題抽出能力」と「中立性」に加え、「ベスト・プラクティス」そのテ1マについての最善手を知っていること、を挙げました。 将棋の「定跡」や囲碁の「定石」ようにビジネスの課題や組織運営上の問題においても、過去の経験則から、おおよその解決策を知っていることが、コンサルティング・ファームには期待されているわけです。

しかし、危機に陥ったり、問題を抱えた企業に、鳴り物入りで乗り込んできたコンサルティング・ファームは、なぜその企業の問題の解決策を知っているのでしょうか?それは、多くの場合、「世界中で同業者かあるいはそれに準じる企業をクライアント(顧客)するプロジヱクトを行い、そこから業界の知識やライバル会社の儲けのヒミツを仕入れているから」です。 これでは、「他社から得た業界情報や企業情報を、上手に横流しすることが付加価値」ということになってしまいます。
極論すれば、「いかにバレないように、他人の揮で相撲をとるのかが、ファームの極意」ということにもなりかねません。 この点は、「コンサルティング・ファーム」が出現して以来、繰り返し指摘され、蒸し返されてきた本源的な論点なのです。
こうした批判を避けるため、「マッキンゼー」や「ボストン・コンサルティング」といった一流と言われるコンサルティング・ファームでは、「コンサルティングを行うのは一業種一社のみ」という社内ルールを持っているところもあります。 しかし、企業のビジネスは多角化しており、結果として、特定の商品や分野でライバル関係にある企業のコンサルテーシヨンを行うことを避けることができません。
こうして集められた知見や経験則のうち、そのクライアント(顧客)に効果がありそうなものが集められ、「ベスト・プラクティス(最善手こというきれいな言葉と美しいチャートという形で提示され、クライアント(顧客)は、それを得るために高額のコンサルティング料を支払うことになるのです。 もちろん、すべてのコンサルティング・ファームでは、「顧客から知りえた情報は、守り抜く」、「ほかに応用する場合は、出所が特定できない程度に抽象化する」という規範を持っていることになっています。
しかし、筆者の経験では、彼らとの会話の中で、「じつはね、ここだけの話ですが、ライバルのOO杜ではこんな例がありますよ」という言い振りを耳にしたケースが実際にあるのです。 コンサルタントも人間です。
クライアントである筆者と懇意になったそのコンサルタントは、筆者に便宜を図ったつもりで、情報を教えてくれたのでしょう。 しかし、ほかのクライアント(顧客)のナマの情報を洩らすことは、「コンサルティング・ファーム」ではご法度になっています。
それよりも、こうしたことが行われるということは、裏返せば、自分の会社の情報を「こんな例がありますよ」とライバル会社に話されている可能性がある、ということを意味しています。 筆者もそのコンサルタントの信頼性に問題がある、と考え、取引を打ち切ることにしました。
彼にしてみれば、良かれと思って思わず洩らした一言が、残念ながら、関係の終罵につながってしまったのです。 もう一つ、「守秘義務」と「ベスト・プラクテイス」の微妙な関係の例を挙げてみましょう。
第2章でお話ししたように、コンサルティング・ファームでは、抽象化し理論化された知見を、出版物や論文としてまとめることがあります。 筆者も、時折、「外資系コンサルティング・ファーム」のパートナーから、りっぱな装丁の著書を頂戴することがあります。

あるとき、有名コンサルタントの方から戴いた書籍のベージをめくっていた筆者の手が止まりました。 その本の数ページにわたって記載されている、論旨明快に綴られた文章や、締麗に色づけされたチャートのH下敷きとなったものが、自社の事案であることがはっきりとわかったからです。
自分が最近までそのコンサルタントと一緒に昼夜を問わず議論してきたプロジェクトから得られた知見が、「コンサルティング・ファーム」の知的財産とされ、出版物として広く世間に公開されている筆者は、その事実に驚くとともに、釈然としないものを感じました。 「得られた知見は、共有財産なのではないか」、「それを許可なく、一般の書籍にするとはけしからん」と抗議を申し入れようかという考えが、頭をよぎりました。
しかし、それに対する「外資系コンサルティング・ファーム」側の答えが想像できたことから、そのアイデアを諦めることにしました。


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